―――cacaoエッセイ

★1998年 〜それは始まり〜

 この年、テンペルタットル彗星が33年ぶりに太陽に再接近し、地球の起動近くに彗星

のダストを残していったということから、マスコミは早くから11月に流星の雨が降ると騒い

でいた。そして、それは「しし座はどれだろう?」から始まった、私の星との出会いの年で

もあった。

 しし座流星群の講演会が宮崎科学技術館であることを知り、出かけていった私は、その

後の講演会を主催した宮崎天文同好会の宴会にまで出席し、気がつけば二次会までし

っかり参加して、会員に加えてもらっていた。

  〜いざ、日南サンメッセへ〜

 日南サンメッセというモアイ像が太平洋を見おろしている公園で、獅子群の観測会が行

われた。あの日のことは忘れもしない。

 流星雨を見たいという熱い想いを募らせての参加だった。自分でもかなりの興奮状態

であったと思われる。それは、11月に野外での星の観測はかなり寒いと聞いていたし、

確かに吹き付ける寒風のため、目は涙で潤んでいた。身体もかなり冷え切っていたはず

なのに、それでも全く寒いとは感じなかったからだ。

 写真撮影のために会場が真っ暗になる。歴史に残るかも知れない天文現象を見ようと

真夜中にたくさんの人達が集まり、共に空を見上げている。特別の寒がりで、眠る事が大

好きな私が、徹夜をしてまでやりたいことがある。会場は期待と興奮で満ちている。

 それら全てのことが私を魅了し、ワクワクとした、まるで夢でも見ているかのような楽しい

心持にさせていた。

 結果としては天候に恵まれず、流星も小規模に終わり、期待はずれにがっかりしている

人達が多かったが、私は流星を見たということで十分満足だった。朝になっても昨夜から

の興奮がまだ続いていた。

 流星の他に、もうひとつ心に残ったこと、それは、時折雲の隙間から星空が見えてい

たのだが、そのわずかな隙間から見える星数のなんと多いことか、そして、それは素晴ら

しく美しかった!

                  すっかり忘れていた・・・
             
  街中からポツンポツンとまぼらに見える星は人口光に阻ま

  れ、その魅力を私に隠していた。夜空にはこんなにも心奪う

  ものがあったことをこの獅子座流星群の日に、やっと思い出
 
  すことができたのだ。


★1999年  〜アッシャー理論〜

 この年は、ヨーロッパやアジアでの大出現が予想されていたが、日本での出現は期待

されていなかった。

 しかし、アッシャー博士の理論を調べていた人から、「日本でもある程度のまとまった

流星が見られそうだ」との情報があったのだ。
 
 アッシャー理論は、当時はまだ多くの人にとって、「それは何?」という段階のものであ

った。それでも、少しでも可能性があるのなら期待したかった。


 
 ★☆★☆★アッシャー博士によると、獅子座流星群は回帰した年の彗星ダストによ

  るものではなく、それより以前に回帰した彗星からのものになる。彗星の軌道にそっ

  て、木星との共鳴関係により、拡散せずに存在するダストの流れが幾つもあり、その

  中に濃い密度を持ったダストトレイルが形成されている。それに地球が遭遇すること

  で、流星雨になる!というものだった。☆★☆★☆



 24時を過ぎ、1時になっても静かな空に、あきらめムードになりかけていた時だった。

ス−スーと、空に輝線が描かれ始めたのだ。「流れた、あっ! また流れた、ワァー、

キャー」と、歓声をあげた。計測や写真を撮っていた人達には申し訳なかったけれど、

流星を見ることすら珍しく、ましてやこんなにたくさんの流星を見るのは初めてのことで

ある、キャー、キャーと声をあげるだけで精一杯、胸いっぱいの状態だった。そして、朝

になるまでそこがみたま園という墓地であることなど、すっかり忘れていた。「ここであん

なに歓声をあげて騒いだ輩は、自分達くらいのものだろうね」と誰かが言ったので、みん

な笑った。

 流星は暗めのものであったけれど、後でこの時数えた流星が341個だったと聞いて、

あらためて感激した。

★2000年 〜再・みたま園にて〜

 アッシャー理論によると、2001年には日本で大出現が見られることになっていた。

1999年の獅子群の予想が見事に当たっていたことから、2000年のピーク時間を当

てることができれば、2001年の大出現がかなり信頼性の高いものになると期待されて

いた。2000年の日本での流星数は少ないと予想されていたが、去年の興奮が蘇り、

また来年への期待をかけて今年の空を見守りたい!という思いもあり、東の空をじっと見

つめていた。

 23時過ぎ、その東の空からまるで打ち上げ花火のようにかなり

明るい流星が、ポーンと勢いよく飛び出してきて、長い輝線

を描いた。今年繰り上がっての大出現か?

と、ドキドキしたが、その後はピタリと止まってしまった。

                                      
 
 しかし翌日になって、ヨーロッパやアメリカでのピーク時が、全てアッシャー博士の予想

とピタリと当たっていたことがわかり、来年の大出現はもはや予想ではなく、既に確信に

変わったと思った。

★2001年 〜エキサイティングに〜

 そして、2001年、天候に恵まれすぎるくらい恵まれた最高の観測条件のもと、あの大

出現となったのだ。あれは宇宙から降り注ぐロマン、ううん、エネルギッシュでエキサイテ

ィングな興奮のシャワーであった。

 実は、この日の私の体調は最悪であった。喉がひどく痛み、熱のために頭がぼーとし

ていた。それでも、今日を見逃すわけにはいかない! むしろ熱で、流星がより幻想的に

印象付けられるかも知れない・・・などと自分に気合を入れた。

 都農ワイナリーに着いた途端、光球が空を飛んだ。感嘆の言葉を発する前に、また光

が空を走った。初めから目が離せない! ! !

 2時を過ぎた頃には、流星の小雨が振り出した。

 「写真撮影のカメラをどちらに向けようか」と誰かの悩む声が、すでにうわずっている。

しかし、どの方向を見ても、流星の雨が降っているではないか。

 明るい流星が多い、オレンジとライムグリーンに美しく輝く。計測している人達の声が、

どんどん熱気を帯びたものになり、歓声に変わる。興奮が伝わってくる。 稲妻のように

空を照らし出す火球も出現、流星痕が幾つも残る。

 そういえば、永続痕のメカニズムはまだ解明されていない。流星光がグリーンからオレ

ンジに変化するわけも知りたい。これだけの流星や痕が出現していれば解明も一挙に

進むに違いない、楽しみだ。

 いよいよ3時を回ると、予想通りに大出現だ! ! ,念願の流星雨となった。

 スゴイ! スゴイ! スゴイ!  2つ同時に並んで顕れることもある、流星痕に突入するか

のように流れるものもある、美しくも凄まじい。

 以前見た惑星衝突を題材にした映画のワンシーンが蘇った。小惑星が地球に近づく

につれて、流星が次々と降り注ぎ恐怖した場面だ。

 普段はこの地球が全てであるような錯覚をしている。しかし、この宇宙的スケールの出

来事を目の前にした時、私たちの住んでいるこの星は、広大な宇宙空間を旅している一

惑星であることを痛感させられた。

 そして・・・かけがえのないこの「地球」を想った。

      4年前の星との出会い、

           そして確かな感動を持ってこの胸に刻まれた獅子座流星群・・・・

もちろん2002年の獅子群の時も、きっと私はどこかで空を見上げていることだろう。



しし座流星群の大出現の後、流星の色のメカニズムも解き明かされつつあるようです。

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