第二章 オーロラのしくみ ──地上で体験できる最も美しい現象── |
4. オーロラ放電をおこす発電のしくみ・・・・エネルギー源 自然の放電現象といえば雷、あのゴロピカドンに子供の頃はあわててお臍を押さえました。(若い人は知らないでしょうが(^^; そのエネルギー源は、雲の中で水蒸気などの摩擦によっておこるのではと言われています。 オーロラも超高層でおこる放電現象ですが、そのエネルギー源は太陽風と地球の磁場の総合作用でつくられています。「2.オーロラの光るしくみ」のところでも書きましたが、MHD発電といわれるものです。ファラデーの発見、そしてあのフレミングの左手の法則を思い出せばOK。 地球の磁場は南北に双極子があり、磁力線が南から北へ向かっています。地球は磁気圏にすっぽり包まれていて、太陽風は侵入できません。これは磁場に対して垂直方向の荷電粒子(太陽風)は進路が曲げられるからです。 しかし、彗星の長いシッポからも想像できるように、太陽風の影響はけして小さくなく、地球の太陽側の磁気圏は押しつぶされ、反対側(夜側)は月の軌道をはるかに越えて遠くまで引き伸ばされています。
5.磁気リコネクション オーロラはドーナツ型なので、もちろん昼(太陽側)にも出ていますが、夜側のほうが活発な動きをしているようです。太陽風の荷電粒子は、磁力線が開かられたところから入り込み夜側に回り込みます。そして、プラズマシートにたまります。太陽側の磁気圏は押しつぶされて磁場が強くなっているの対して、反対側の夜の方は、太陽風に流されて長く引き伸ばされているので、磁場は不安定になり、弱くなっています。そのため、プラズマがたまりやすくなっています。そして、夜側で磁気リコネクションが起こり、オーロラを光らせます。
オーロラは時として、大ブレークアップすることもあります。オーロラの爆発の大きさ、爆発のメカニズムについては、まだ解明されていないようです。 6.オーロラ電子の加速機構 さて、プラズマシートから大気に飛び込んでくる電子は、そのままのエネルギーだと、地上 2000kmくらいまでしか入ってこれません。プラズマシートより電離層の磁場は1000倍も強いのです。磁気圏の電子のエネルギーは300eV位なので、電離層までは到達できないのです。 オーロラの上空に電場があれば、電子を加速することができます。 地上2000〜10000km上空に「プラズマ二重層」と呼ばれるU字形をした上向きの電場が生じているのが発見されました。電子は電場の向きと逆の向きに加速されます。 すなわち、電子は、ここで磁力線に沿って下向きに数キロeVまで加速されて、電離層の中に突入できるのです。そして、ようやく、オーロラ放電がおこります。 このプラズマ二重層が生じるメカニズムも、まだ謎のようです。 オーロラは、今も不思議がいっぱいの神秘に包まれた美しい現象のようです。
|
BACK |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||