1.生命とは?への挑戦


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 ありふれた日常の中で、昨日も今日もそして明日も、私の周りは生命に溢れている。
今まで生きてきてたくさんの人たちとの出会があった、愛らしい子犬に目を細めた、フリージアの花の香りが大好き、海をふわりふわりと漂うクラゲ、ヨットについてきたイルカたち。そうそう、あの時お腹をこわしたのは、おにぎりに繁殖したばい菌のせいだったが、あれもこれも生命。

 生命は、アメーバーのようなものから猿のようなものへと進化していき、やがて人間も登場したのだろうと漠然と考え、そこになんの不思議も感じなかった。現に自分が存在していることの安心感ゆえか、地球の歴史の中では自然に生命が発生し、当然のごとく進化がおこるのだと思っていた。
 
 しかし、地球の始まり、いやもっと以前、宇宙の始まりを考えていくと、この生命という存在の危うさ、したたかさ、不思議さがぐるぐると頭の中で回りだし、たどり着けない迷路のように思えてきたのだ。この地球上にいれば、生命はありふれた存在である。たくさんの生命と共存して生きている。それなのに、この生命とは一体どういうものなのかと尋ねても、まだ明確な答えは見つかっていないのだ。

 現在、多くの研究者がこの問題の答えに取り組んでおり、生命の起源と進化について、たくさんの理論が出されている。私は、ただの傍観者にすぎないが、そのどれもが素晴らしくて面白い。

 生命というものの正体を知ることが良いのか悪いのか そう聞かれたらひるんでしまう。
もしかしたら、生命とは単なる化学変化と偶然の結果の産物かもしれない。しかし、人間である自分が生命・人間の本質を知ろうとする過程は、感情という神経組織を発達させて生きる生命体には、宿命、否、結果としてあるのだと思う。それが人間の進化なのだと・・・勝手に思いたい。

第1章.命のもと

 2001年のしし座流星群の時、なんとエキサイティングな宇宙からのシャワーだろうと感動した。あの時、地球は間違いなくこの壮大な宇宙空間を旅しているのだと思った。

 生命も、この宇宙誕生から始めなくてはいけないのかも知れないが、私には途方もなさ過ぎてしまう。宇宙は無から誕生したという説がある、そして、そこから空間や時間が生まれたのだと。そのことはかなりショックであるけれど、また、私レベルでの理解力では本当のところは理解する術もないのだが、かなりわかりやすく書かれた一般書の中の宇宙創生の理論は、どれも壮大で衝撃的で感動的だ。かくして、この宇宙は誕生し、命が誕生する舞台が出来上がった! というところからはじめてみた。


1.地球の生命のもとは宇宙からやってきた説・・・もうひとつの説

 生命は、生命からしか生れないらしい。最初の生命誕生は謎につつまれているが、そのもととなったものはどうしたのだろう。生命体は複雑な有機分子からできているが、その有機分子は、宇宙星間雲の中にもあるのだという。

 
太陽誕生のシナリオは既に知られているように、45億年前に星間雲が重力でつぶれていき、やがて渦巻く円盤がてきて、その中心に太陽が生れた。円盤の端の方では太陽からの光や熱も届きにくかったので、彗星ができたり、星間雲がそのまま残された。その中には、有機分子が壊れずに残っていたので、やがて地球に向かった彗星は、地球に有機分子を運ぶ事になったのだという。

 地
球には初めから水や生命のもとがあったと考えられていたが、最近の学説では、できたばかりの地球は、熱く乾燥した不毛の地であったとも言われている。
 また、40億年くらい前までは、地球と小惑星や彗星の衝突が頻繁におきていたらしい。その衝撃はかなりのもので、とても生命が存在できる環境でなかったであろうことは想像できる。



 し
かしなんと、39億年前の岩石からは生命の印しが見つかっているのだ(まだ、確定はされていないが)。たった1億年の間に、不毛の地から生命が誕生したとは考えにくい事から、最初の生命のもとである有機分子は、彗星が運んできたのではないかとも考えられている。

 
もちろん、地球が形成されたときから今の水や大気も持っていたという説もあるし、彗星から運ばれてきたという説と、どちらが正しいのかと言う議論は、これからもっと研究が進んでからのことだろうが、もしかしたらそのどちらもかも知れないし、どちらでもないかも知れない。とにかく、地球には今も昔も、彗星からの塵や隕石が降り続けているようなので、なんらかの影響がある、あったと考えることは自然なことのようにも思えた。

地球に降りそそぐ宇宙分子
  地球ができた45億年前から40億年前まで、彗星や小惑星が頻繁に地球に衝突していた。
  そして、今でも地球には、毎日数百トンもの宇宙微粒子が降りそそいでいるそうだ。
  その粒子は有機分子を大量に含んでいる。
  この有機分子は、原始太陽系星雲の中ではなく、その組成からみて、太陽系星雲になりそびれ
  た暗黒星雲の残りかすの中でつくられたと考えられている


ハレー彗星やヘール・ボップ彗星、百武彗星には、メタンやエタンを含む有機化合物が豊富に存在することがわかったそうだ。また、隕石からは、核酸塩基やケトン、キノン、カルボン酸、アミノ酸、アミドなどの複雑な有機物もみつかっているようだ。

 暗黒星雲の中でできた氷の主成分は水であり、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、アンモニアなどの単純な分子を含んでいることがわかった。これらの氷塵の中の分子は、周りの星からの紫外線をあびて切断され、さらに複雑な構造に再結合されていく。こうしてできた有機分子を含む氷の塊が、彗星にくっついてこの地球にやってきた。そして、生命へと繋がる化学反応に寄与したのではないだろうか。


 
太古の海のところでも生命誕生のプロセスを書いたが、もし、本当に生命が海底で発生したとしても、それにも宇宙からの有機化合物が寄与したのかも知れない。

※オーストラリアのマーチソンにおちた隕石からは、生物の細胞膜に似た脂質の働きをする
  泡が発見されている。

 この説が面白いと思うのは、宇宙にはいたるところに複雑な有機分子が存在しているのだから、地球以外の星にも当然降りそそいでいる訳だ。すると、それらの星々での生命誕生のきっかけや進化を手助けしているということになる・・・つまり宇宙人と出会う日も、もしかしたらそう遠くないかも知れないぞと思えてくる。

 
では、宇宙に存在する複雑な有機分子は、どうやってできたのだろうか。

2.アモルファス状の氷

星間雲の氷塵は、ケイ酸の砂状の微粒子に、水やメタノール、炭化水素が凍りついていきながら、成長していくようだ。しかし、凍てついた氷の固く配列した分子の中では、分子は有機分子に成長できないと言われていた。
 最近になって、宇宙空間の極低温の氷の中では、地球の氷とはまったく違う性質があることがわかってきた。つまり、星間空間の水の氷は、アモルファス(非晶質物質)状態なのだという。このアモルファス状態とは、例えばガラスがそうである。ガラスは、二酸化ケイ素のアモルファスなので、可視光が結晶にさえぎられることなく通過する。星間空間の氷も、ガラスのようなものだというのだ。地球の水の氷のように、分子や原子の規則的に配列した結晶の固い構造はなく、むしろ液体であるときの水に近いらしい。

 星間の氷(極低温)は、宇宙空間の紫外線を浴びると液体の水と似た性質を持つようになる。それはメタノールや一酸化炭素などの単純な分子が結晶構造にさえぎられること無く、より複雑な有機化合物に変化するのを可能にする。そうしてできたものが地球に到達して、生命誕生になんらかの形で関係したと考えることは自然な流れであると説かれていることに、十分納得できる。
生命誕生のシナリオはまだ未解決のままであるが、宇宙の氷が生命のゆりかごであるという可能性は、大いにありうるようだ。








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