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    したたかに しなやかに〜
 雑草賛歌 



                   お し な が き (季節をクリックするとリンクします)
春の野草 初夏の野草 夏の野草 秋の野草 冬の野草
・ハルシオン
・オオイヌのフグリ
・ハコベ
・スミレ
・カラスのエンドウ

・イチゴ
ツユクサ
・ガクアジサイ
製作中 製作中 製作中

春 の 野 草
植物は、芽生えた場所で一生を過ごす。例え嵐が吹いても、日照りが続いても、そこに生きていくしかない。しかし、自然や微生物、動物やときには恐ろしい〜人間とでも関係を持って、時には助け合い、時には利用して、実に逞しく生きている。その姿は、たおやかで、しなやかで、美しい



 

ハルシオン 春紫苑 キク科の植物

春になると、ほんのりピンクに染まったこの愛らしい花が、あちこちに見られて楽しい。
帰化植物のようだが、大正時代に園芸用にと輸入されたものらしい。
当時は「ピンク・フリーベイン」という名で日本デビューを飾ったのだとか、しかし、時の流れと共に、飽きられて、捨てられてしまった。
それでも、ハルシオンは負けなかった。
立派に春を彩る野草としての地位を確立したのだ。
たおやかそうに見えて、実は芯のしっかりした女性のよう。
オオイヌノフグリ ゴマノハグサ科

このコバルトブルーの美しい花の絨毯を見つけた時は、立ち止まって見いっている、昔話のおとぎの世界、春色ロマン。
4枚の花びらに引かれたラインは、ハチを蜜のありかまで導くガイドラインだという。
しかし、この花はユラユラと揺れるのだとか、ハチが必死でしがみつく先は雄しべと雌しべ。
 
揺れてあなたの胸の中〜♪ 受粉完了!




ハ コ ベ  繁縷 ナデシコ科

ハコベの花はよく見ると実にかわいらしい。ナント5枚の花びらが、10枚に見えているぅ!


     
    せり  なずな  ごぎょう  はこべ 
  ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草

      --春の七草の歌 左大臣 四辻善成


 
■ス ミ レ
ミレ(菫) 
スミレ科スミレ属の植物の総称。世界に約400種、日本には55種が知られる。地上茎のあるタチツボスミレ・ニョイスミレ、地上茎のないエイザンスミレなど。
名は、花の形が墨入れ(墨壺(すみつぼ))に似ているところからという。

スミレの花に惹かれる人は多い。その可憐な姿、ロマンチック紫、どこか恥かしがり屋さんのかわいい女の子を連想させる。
しかし、スミレは雑草である。か弱くなんて生きてられないのだ、自然の厳しい環境に適応してありあまる、実に逞しい生存戦略を持っている。


 
山路来て何やらゆかし菫草    −松尾芭蕉

辞書でスミレを調べると、日当りのよい山野に生えるとある。しかし、スミレは石段や、庭の片隅、コンクリートの隙間などにも見つけることができる。なぜ、こんなところに?と、嬉しくも哀れに思ったりもする。
スミレはゆかしいどころか、実ににしたたかに生きている野草であった。


その@
スミレの種子には、エライオソーム」というゼリー状のアリの好物がオマケのように付いている。アリは種子を見つけると、自分の巣に持ち帰り、エライオソームだけを取って、種子は巣の外へ捨ててしまうアリはコンクリートの隙間にも巣をつくる、つまり、それが僅かな隙間からスミレが花開かせる理由だった。

※エライオソームについて、詳しい解説のあるサイト
「石川の植物」 http://w2222.nsk.ne.jp/~mizuaoi/
   ↓           
 用語解説   http://w2222.nsk.ne.jp/~mizuaoi/

※他にもカタクリ、ムラサキケマン、エンレイソウなど日本のおよそ200種の花がエライオソーム付きの種を作る。

そのA  
スミレの種子は、熟すと鞘が開いてはじき飛ばす仕組みを持っている。

そのB
さらにスミレには、しっかりした根が付いて、この根で株を増やすことができる。

そのC
スミレの花は、後ろが突き出て長くなっているように見えるが、これは「」と呼ばれている部分だ。
昆虫の中には蜜だけを取っていくものがいるので、スミレは自分の花粉を確実に運んでくれる相手を選んだ。スミレの蜜は
」の中に入っていて、それをごちそうにできるのは、舌を長く伸ばせるハナバチだけ。ハナバチが花の中に頭を突っ込むと、実にたくみな方法で花粉をハナバチの頭に降り注ぐしかけがしてあった。(@_@!

そのD
もう上のことだけでも十分だと思うのだが、スミレはさらに用意周到であった。花の時期が終わっても、開かない花「閉鎖花」をつけている。そして、閉鎖した花の中で、自分の花粉で受精する。閉鎖花は花粉の運び手を必要としないので、ふつうの花よりも早く確実に種子を作ることができるし、低コストである。花や蜜に費やすエネルギーが必要ないからだ。

スミレ以外にもホトケノザ、ミゾソバ、ヤブマメなどが閉鎖花を作る。

それでも、スミレはやっぱりかわいい〜♪ 大好きな花 (^з^)-
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カラスノエンドウ

宮崎市の中央をゆったりと流れる大淀川の堤防にも、道端にも、空き地にも、あそこにもここにも、このかわいらしい淡紅紫色の花を見ることができる。マメ科の花は、クサネムやフジ、シバハギやレンゲのように蝶のような独特の形をしているので、すぐにマメ科だということがわかる。

 どうしてカラスが名前に付いたのか?
 草の名前にはよく動物の名前がつけられているが、この仲間にスズ
 メノエンドウというのがある。
 植物の参考本には、カラスに比べてスズメは小さいということにな
 るらしい。カラスノエンドウの実は、熟すと黒くなるからカラスか
 も知れない。面白いのは、
カスマグサというよく似た種があるの
 だが、これは
ラスノエンドウとズメノエンドウのの大きさ
 になるからだそうだ。
 理由を聞かずに、名前の由来を言い当てる感の鋭い人はエライ(笑)

 ※カラスノエンドウのことが書かれているページ
http://aodamo.web.infoseek.co.jp/karasunoendo.htm
カラスノエンドウは果実(さや)が熟すと黒くなるので“烏の豌豆とも言われるそう。確かに、真っ黒!    カラスノエンドウの実
カラスノエンドウは、花外蜜腺といって、花の外に蜜を用意している植物のひとつだ。
探して見ると、托葉の付け根のところに赤茶色の蜜腺があり、蟻が群がっている。
蟻を呼び寄せて、カラスノエンドウを食べる害虫を追い払おうとするためではないかと・・・
しかし、そう上手くはいかなかった、アブラムシは、蟻を手なずけてしまったようだ。
まあ、自然とは不思議である。アブラムシを食べる昆虫もいるし、アブラムシに寄生する細菌もでてくる。回る、回るよ地球はまわる〜♪

※マメ科の植物は、根に粒上のものがついている。これは、根に根粒菌がすんでいるためだ。根粒菌は、根毛から侵入し根の皮層内部まで入り込むと、増殖して根粒をつくる。根粒菌は、空中窒素をアンモニウム塩(NO4+)に変えて植物に渡し、植物は、根粒菌に宿と栄養(糖類)を提供する。つまり、持ちつ持たれつの共生関係にあるのだ。昔はレンゲを窒素肥料にするために田んぼに蒔いていた。今では見ることも少なくなった、田んぼを春色に染めた風景。。。。。



 イ チ ゴ 
◆キイチゴ

木苺は、
バラ科キイチゴ属のうち、落葉低木の総称。


 
モミジイチゴ・カジイチゴ・クサイチゴ・ラズベリーなど。茎・葉柄にとげが多く、春に白い花をつける。実は黄や赤色に熟し、食用


◆オランダイチゴ

オランダ苺は、
バラ科オランダイチゴ属の多年草。


 
匍匐茎(ほふくけい)で繁殖し、全体に縮れた毛が密生。葉は三枚の小葉からなり、長い柄がある。春、白い五弁花を開き、実は卵形で赤く熟する。南アメリカの原産。現在の栽培種はこのオランダイチゴである。オランダの農園でバージニアイチゴとチリイチゴの交雑によってつくられた。


いちご(苺・莓)は、バラ科の多年草または小低木の総称、またはその実。
春から初夏に白色の花が咲き赤や黄色の実が熟します。
「苺」というとやはり美味しいフルーツの代表という気がします、豊の香などの栽培されているオランダイチゴ(草本)と、モミジイチゴ・クサイチゴ・ラズベリー・ブラックベリーなどのキイチゴ(木本)がありますね。

 ◆のいちご【野苺】
バラ科の草本のうち、山野に生え、イチゴ状の果実をつけるものの総称。

ヘビイチゴ属のヘビイチゴとヤブヘビイチゴ、それにオランダイチゴ属のモリイチゴが野苺であって、意外にもキイチゴ属の実は木本になるので野苺とは言わないのですね。
しかし、地方によっては限定した品種が野苺だったり、野に咲くイチゴの総称が野苺だったりするようですし、ここで断定して野苺とはこれであるとは言えません(^-^;

ヘビイチゴ属は2種ともまずいけれど、ヘビイチゴの赤い実は、キンポウゲやノアザミと共に初夏の野をかわいらしく彩っているので、見ていてホント楽しくなります。だから名前にヘビとつくのはどうも抵抗があるのですが(^-^; アカポンポンとか春ビーダマとでも呼びたいなー(笑)
モリイチゴ(シロバナヘビイチゴ)は美味しい!

◆きいちご【木苺】
 この間まで、きいちごは黄苺だと思っていました。私の好きなナガバモミジイチゴの実が黄色だったので勘違いしたのでしょう。
イメージとして苺は草本のものだけしかない気がしていたので、きいちごは木になる実であったことに驚きです。


そういえば、子供の頃、ナガバモミジイチゴを食べる時にトゲのある木に手を差し入れて、すり傷を作ったりしていました。食いしん坊なので、美味しい実であったこと以外は忘れていました。
このナガバモミジイチゴを子供達に食べさせたところ、‘甘くてジューシーで、爽やかで美味しい〜♪’と感激していました。今はこういったものが、贅沢なだろうなと思います。

 ◆実と種   

イチゴの果実と思っていた実は、花びらやメシベをつけている花托(かたく)が肥大したもので、本当の果実(イチゴは痩果)は、表面のくぼみにある小粒状の粒々の方でした。植物の子房以外に花托、ガク、などの部分が加わってできた偽果(ぎか)なんですね。

キイチゴの果実は一見するとイチゴに似ているけれど、小さな果実が集まった集合果で、種子はそのひと
          つひとつに入っていて、イチゴとはつくりが違います。


※痩果・・・・果皮が堅い膜質で、熟すと乾燥し、一室に一個の種子を
        もつもの。萼筒(がくとう)または花軸の一部が果実の一
        部を構成する。タンポポ・菊・キンポウゲなど。

※偽果・・・・花托(かたく)・萼(がく)・総苞(そうほう)など子房以外の部分が子房とともに
        生長・肥大してできた果実。イチジク・ナシなど。仮果。


※集合果・・・二つ以上の花の子房が結実し、それらが集まって一個の果実のように
        見える果実の総称。クワ・イチジク・パイナップルなど。複果。


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