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光合成とは、植物が太陽光を吸収してその光エネルギーを使い、大気中の二酸化炭素と根から吸収した水で、酸素と糖類を作リ出す作用。




CO
2

H
2O














O
2

糖類(C
6H12O6)

この太陽の光を利用できる植物のシステムは、人間を含めた動物の生命活動のエネルギーの源となっている。 植物は、自分で有機物を作り出せる光独立栄養生物であり、動物はそれを利用する従属栄養生物である。
植物は二酸化炭素と水を使って太陽光エネルギーを貯蔵(デンプン)し、動物はこの貯蔵されたものを分解してエネルギーとして利用しているのだ。

また、大気中の酸素を作り出すのも、植物やシアノバクテリアであり、これらが太古の地球の原始大気に大量に含まれていた二酸化炭素を消費し酸素をつくり出した。
そして、これらは100万分の1ミリメートルという小さな世界で行われているのだ。

この、太陽光を利用する光合成しいうしくみは、実に驚くべき素晴らしいものである。

 第1章 太陽エネルギーの利用

 1.1 光合成の始まり

光合成の始まりは太古の海のところでも触れたが、27億年前の太古の海でシアノバクテリア(ラン藻類)のコロニーであるストロマトライトが大繁殖し、光合成による酸素を放出するようになった。
もっと以前の原始の海には遊離酸素がない(他説もある)ことから、エネルギーを獲得する手段は発酵だったのではないか、つまり、最初の生命は発酵をおこなう超高熱性の生命体であったのではないかと言われている。
シアノバクテリアのように太陽光を利用できるようになったことは、今日の生命に溢れる地球の基盤となった。
今ある紅色細菌や緑色硫黄細菌は、その後、光合成器官を進化させていく過程の初期の頃のシステムを持っていると思われる。

 1.2 光をとらえる色素

アインシュタインにより、光は電磁波の一種で波動性を示すが、同時に光子という粒子でもあるとして理解されている。

光子1個の持つエネルギー Eは  E = h\nu = h\frac{c}{\lambda}     h:プランク定数 ν:振動数 c:光速度 λ:波長

光エネルギー(J)は、光に含まれる光子の数と光子の波長によって決まる。  



植物が利用するスミレ色440nmの光エネルギーは、約300kj/モール光子 最も長派長側の700nm暗赤色は170kj/モル光子。


緑色植物の光の吸収は主にクロロフィルで行われる。
クロロフィルaは、主に青い光(波長435 nm前後)と赤い光(波長680 nm前後)の光を吸収する。緑色の光はあまり吸収しないので、反射されたり散乱されたりして葉っぱが緑色に見える。

色素の違いは、異なる波長の光を吸収しているということ。いろいろな色の色素を組み合わせれば、太陽の光(連続スペクトル)を効率よく利用することができる。1つの色素しか持っていなければ、その色素が吸収する光しか利用できない。

光合成に使われない場合は、クロロフィルが吸収した赤と青の光は大部分になる。

ロロフィルaは、すべての陸上植物や藻類に見られる光合成の主要色素
それ以外の色素を補助色素という。クロロフィルaが吸収できない光の色(波長)を吸収して、エネルギーをクロロフィルaに渡す。クロロフィル a:b=3:1
光合成色素
色素 科学的性質 同化色素
クロロフィル Mgを中心金属とするポルフィリン環に、鎖状のフィトールが結合した脂溶性物質
 
 クロロフィルa
 クロロフィルb 黄緑
 クロロフィルc 青緑
カロテノイド 鎖状の長い不飽和炭化水素で、脂溶性  カロテン βカロテン 橙黄
 キサントフィル ルテイン
フコキサンチン
フィコビリン ポルフィリン環が開いた形で中心金属を持たない、水溶性  フィコシアニン
 フィコエリトリン
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植物葉が太陽光をとらえてデンプンを作るしくみは、葉の細胞の中の葉緑体で行われる。
そして、葉緑体の中で中心となって働くのがクロロフィルである。

       葉の断面図
左の図は葉の断面図で、光の大部分は柵上組織で吸収される。海綿状組織は、柵上組織より葉緑体の数が少ない。葉の裏側にある気孔は、開閉しながら、水蒸気・二酸化炭素・酸素を出し入れしている。

葉の細胞の中には、核やらミトコンドリアなどと、そして50〜100個の葉緑体がある。
葉緑体は光の方向や量をセンサーでとらえ、細胞の中で向き位置を変えて受け取る光を調整している。

クロロフィルや補助色素は、クロロフィル結合たんぱく質と複合体を形成している
葉緑体の中には、チラコイド膜が積み重なったようになっているが、そのそのものに、クロロフィルなどの色素がたんぱく質と結合して存在しているのだ。
膜には様々なたんぱく質があるが、光合成に関係あるのは、それぞれ形の違う3種類のたんぱく質複合体である。他にATP合成酵素と、ストロマに浮かぶルビスコ酵素が関係している


            葉緑体

チラコイド (ギリシャ語で袋状の意) が積み重なったところは、光学顕微鏡で穀粒のように見えるところから、グラナ (ラテン語で穀粒の意) と呼ばれる。
チラコイド内腔は、葉緑体分化の際、内包膜が陥入して生じ、くびれて離れた後、平たい膜になったもの。こののところでで光合成が行なわれる。
チラコイドは、ボールを平たく潰して、コインのようになった形をしている。チラコイドの内側はルーメンといい、水、イオン、たんぱく質で満たされている。
葉緑体の中の空間をストロマといい、水、イオン、たんぱく質で満たされている。

次項で詳しく書くが、光合成は受け取った光を電子に置き換えデンプン合成に使用する。また、その流れからATP合成酵素を動かしATPをつくりデンプン合成回路に渡している。

                 3種類のたんぱく質複合体とATP合成酵素

チラコイド膜は5.5nm(ナノメートルは10億分の1メートル)の薄い膜で、一様に並んだリン脂質でできている。膜の外側は親水性だが、内側は油の性質を持っているので、クロロフィルのフィトール側鎖が親脂質性としてはたらいていて、リン脂質と結合している。

                      クロロフィル科学構造式 
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 1.3クロロフィルによる光の吸収

クロロフィル分子が適当な波長の光子を吸収すると、電子が励起状態になる。
クロロフィル分子は多くの共役二重結合を持ち、この数が多いほど、クロロフィル分子の電子が励起するエネルギーは少なくてすむ。

クロロフィルは、青色光を吸収すると第二一重項状態に励起されるが、半減期が10
−12と短いため、すぐに第一一重項状態になり、半減期は4×10−9と長くなる。
赤色光を吸収してもクロロフィル分子の電子は
第一一重項状態に励起する。

第一一重項状態から基底状態に戻る経路はいろいろあり、熱やりん光蛍光を放出して戻ることも可能だが、重要なのが科学的仕事に利用できる経路である。
励起した電子は、受け取る相手(電子受容体)がいればそちらにエネルギーを移動させる。その電子受容体に渡す経路で転移させられた電子は科学的仕事に役立てられる。

また、隣接する色素にエネルギーを転移させることもできる。
葉にあるクロロフィル分子の約1パーセント以下のものが実際の反応中心であり、残りは中心にエネルギーを運ぶためのものであるので、この色素間のエネルギー伝達の機能は大切である。光が実際の反応中心に当たる確立は極めて低いからである。

 1.4光をとらえるアンテナ機能

葉に当たる光のうち、光合成に役立つのは光化学系と呼ばれるクロロフィルをふくむ光受信アンテナに当たったものである。光受信アンテナは、チラコイド膜の表面に並ぶ、太い円柱状のたんぱく質で、一つの光受信アンテナに役45個のクロロフィルが埋め込まれている。一〜七つ位までが集まってひとまとまりなっている。光受信アンテナは光集光複合体(LHC)と呼ばれ、チラコイド膜上にたくさん存在していて、光を多く利用できるようになっている。

集光複合体(LHC)には、中のクロロフィルが光を受けて励起したエネルギーを隣接するクロロフィルに次々と渡し光反応中心まで届けるように、光受信アンテナが上手く配置されている。クロロフィル間のエネルギー移動でエネルギーの質は変わらない。

 1.5エネルギー変換の場 

光合成の反応中心の特別な1対のクロロフィル(スペシャルペア)に集められたエネルギーは、分子間でエネルギーをやりとりする酸化還元のエネルギーとなる。

光収穫系の色素から集められたエネルギーは、クロロフィルスペシャルペアの電子を励起させて電子を飛び出させる。その電子は、100パーセントの効率で次々と電子受容体に受け渡される。
この光合成反応中心複合体で電子が移動するしくみは、トンネル効果によると考えられている。
そして、この電子の移動は、温度には関係がなく進み、液体ヘリウム温度の4Kでも進行する。

  PSUのアンテナから反応中心へのエネルギー移動

植物は直列に連なる2つの光合成反応中心がある。吸収極大が680nm光化学系U反応中心と吸収極大が700nm光化学系T反応中心である。

光化学系Uの周辺部アンテナである集光複合体(LHC)に集められた光は、内部アンテナ(CP43.CP47)に集められる。

内部アンテナは、中心(コア)複合体呼ばれ、集光もするが、LHCが集めた光を反応中心(P680)に渡す。

光化学系Iの構造、機能は光化学系IIによく似ている。複合体はやはり数十種のサブユニットからなり、LHCIを持っている。


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