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 第2章 光エネルギーを化学エネルギーに転換するしくみ

燦々と降り注ぐ太陽の光は、地球上全ての生命のエネルギーの源となっている。
光は光合成によって化学エネルギーに変換されて、生命のエネルギー原として利用されているのだ。

光合成は、葉緑体内部で起きる一連の酸化・還元反応で、光化学反応によって
ATPNADPHを合成する光化学系と、それらを用いて炭酸固定を行うカルビン回路の2段階から成る。

光化学反応は光を利用するしくみで、光化学系I光化学系IIという2つの反応過程がある。

化学系Uでは水を酸化するための強力な酸化剤、光化学系TではNADP還元のための強力な還元剤がつくられる。

光からデンプンを作る流れ


 2.1 光科学反応

植物の葉緑体内のチコライドでは、光化学反応によってATPNADPHを合成する。

光化学反応は、光エネルギーを利用してクロロフィルから電子を飛び出させ、その電子を順次伝達していく過程で化学エネルギーとして利用し、次のカルビン回路に必要なATPとNADPを合成するのだ。光化学反応は、電子伝達系である。

植物の電子伝達の図式


光化学系(Photo chemisty)には、TUの2種類が存在し(番号は発見順)、チラコイド膜上で別々の構造を持つ複合体として働く。
電子はUからTへと伝達される。

 2.2 光科学反応U

光化学系II(PSU)は、数十種のサブユニットから構成された複合体で、クロロフィルaとたんぱく質の結合物数100個からなる集光複合体反応中心からなる。 反応中心にはたんぱく質と結合した特別な1対のクロロフィル(スペシャルペア)があり、吸収極大が680nmの色素なのでP680といわれている。Pは色素pigmentの略。

P680は、高エネルギーの励起状態に遷移させられて電化分離をおこし、光収穫系から電子を飛び出させる。すると、クロロフィルaは電子を失った酸化型となるが、これはチラコイド内腔のを分解してできた電子で補充される。水素イオンはチラコイド内腔中に放出される。2H
2O→O2+4H++4e-

電子の流れは、水→マンガンクラスタ(Mn)ー→チロシン基(Tyr)→P680→フェオフィチン(Phe)→QAQBとなる。水分解から電子伝達が始まるのではなく、電子を失ったクロロフィルaに水からの電子が補充されていくのだ。

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 PSUの電子の流れ(PSUのサブユニットから限定したものを記載)


※PSUは様々なサブユニット(20個以上?)からなる複合体で、そのうちの
  2個が反応中心。
 多くのサブユニットの機能は研究段階である。


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MSP Mnクラスターを安定化
4Mn 4つのマンガンイオンが配置
P680 クロロフィル2分子のスペシャルペア
Phe フェオフィチン
QA プラストキノン・PSUに強く結合
QB プラストキノン・PSUにゆるくく結合
CP43 中心複合体・集光複合体が集めた光をCP47へ渡す
CP47 中心複合体・CP43が集めた光を反応中心へ渡す
D1 中心複合体・反応中心たんぱく質
D2 中心複合体・反応中心たんぱく質
Cyt-b シトクロムb559・ヘムを結合
PSUの光損害を防護?
Tyr チロシン基電子伝達
         PSUの電子伝達の反応式

光合成の反応中心複合体の特別な1対のクロロフィル(スペシャルペア)に集められたエネルギーは、分子間でエネルギーをやりとりする酸化還元のエネルギーとなる。

光収穫系の色素から集められたエネルギーは、クロロフィルスペシャルペアの電子を励起させて電子を飛び出させる。その電子は、100パーセントの効率で次々と電子受容体に受け渡される。

この光合成反応中心複合体で電子が移動するしくみは、トンネル効果によると考えられている。
そして、この電子の移動は、温度には関係がなく進み、液体ヘリウム温度の4Kでも進行する。

電子を失ったクロロフィルスペシャルペアは、チラコイド内腔の水を分解してできた電子で補充される。

PSUから飛び出した電子はPQ(プラストキノン)を経て、
シトクロムb6/f複合体、それを出て伝達体のPC(プラストシアニン)へと順次受け渡されて、PSTに入っていく。

QBPQはチラコイド膜中で自由に動くことができる。このPQはストロマ中の水素イオン2個を取り込んで
PQH2(ジヒドロプラストキノン)となる。

PSUから飛び出したPQH2は、シトクロムb6/f複合体に電子を渡す。

 2.3 水の電子を利用する反応

水の電子を利用して光合成ができるようになったことは、生物の太陽エネルギー利用を圧倒的な量のものにした。

チラコイド内腔の
の分解は、PSU複合体に結合したマンガン結合たんぱく質マンガンクラスタ-によって触媒される。水を分解してできた水素イオンはチラコイド内腔に放出され、酸素は細胞外へ出されて気孔から出て行く。2H2O→4H++O2+4e-

植物が光合成で放出する酸素は、根から吸い上げた
がこのチラコイド内腔で分解されたものである。

2H2O→4H++O2+4e-
水が分解される時に取り出された電子は、たんぱく質チロシン基(Tyr)を経てP680に渡される。

マンガンクラスター(Mnクラスター)は4つのマンガン原子からなり、P680が酸化されるたびにMnクラスターが電子を渡す。
この反応は段階的に進み(S0→S1→S2→S3→S4)、最終的に遷移状態のS4を経てS0状態に戻る際に、水が酸化されて一挙に酸素分子を発生させる。
つまり、MnクラスターからのP680への4電子供給は、前貸しである。
このことで、Mnクラスターは酸素ラジカルの発生を減らすことができる。

 2.4 シトクロムb6/f複合体における反応

シトクロムb6/f複合体
は多数のサブユニットからなる膜たんぱく質で、主な更正要素はシトクロムb6とシトクロムfである。
このシトクロムb6/f複合体の役割は、PSTとPSUの間の電子伝達を仲介するこである。

3つの電子伝達系複合体

PSUから飛び出したPQH2は、シトクロムb6/f複合体に電子を渡す。この複合体から再び電子はPCへと渡される。このシトクロムb6/f複合体によるPQH2からPCへの電子伝達で0.4ボルトのエネルギーが解放され、このエネルギーでストロマからチラコイド内腔に
水素イオンをくみ出している。

PCは銅原子を含んだたんぱく質で、PSTに電子を渡す


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