共 生 に よ る 多 様 化


生物界全体を考えるうえで、藻類を知ることは要であることがわかってきた。
藻類を理解するには、その系統を理解しないといけない。1980年代から現在にかけて分子系統の手法が藻類の研究に導入されるようになり、様々なことがわかってきた。


※分子系統学
 さまざまな遺伝子やタンパク質には系統についての情報が残されている。この分子情報に基づいて
 生物の系統を明らかにする学問。


真核生物の進化を考える上で細胞内共生は重要なポイントである。細胞内共生とはある生物の細胞が他の生物の細胞内に取り込まれ、一体化して生きることだ。真核生物がその歴史の中で、藍藻(原核生物)を細胞内に取り込み葉緑体として確立させたということがわかった。
真核藻類は系統的にかなり異質なものの集まりである。唯一の共通点が、葉緑体を持っているということであるが、藻類は、一次共生、さらに二次共生により葉緑体を確保してきた。(下の図参考↓)
 
藻類の多様性
  青い矢印は二次共生による葉緑体の獲得を示した。
  赤い線
は主要色素がクロロフィルaであり、植物門ごとの補助色素が違うことを表した。


葉緑体の系統と細胞本体の系統を別に考える必要がある。葉緑体は単系統で、原核の藍藻のひとつが真核生物に共生して葉緑体が確立されたのは1回だけであったと考えられている。それ以外の葉緑体の獲得はすべて真核藻類の共生(二次共生または三次共生)による。
クリプト藻やクロララクニオン藻類にみられるヌクレオモルフやペリプラスチダルコンパートメントの存在は真核藻類の共生による葉緑体の獲得によって説明される。

     ※藻類の共生による多様化についての詳しいサイト紹介
       (葉緑体の確保やヌクレオモルフとペリプラスチダルコンパートメントの説明がある)

      http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~inouye/ino/etc/endosymbiosis.html








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