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第一章 オーロラの舞う街 ――イエローナイフ旅行記―― |
5.オーロラの夜 2日目 プレリュードレイクでの2日目、今日こそはオーロラに逢いたい。皆も同じ気持ちだったようで、今日はロッジの中で過ごす人はいない。しかし、なかなか明るくカーテン状になるオーロラは出てくれなかった。あきらめムードが漂い始めた時である、それまで南の空の下の方でじっとしていた、薄い緑の帯だったものが、ゆらゆらゆとうねり始めたのだ。帯の上に光の筋もはっきりと見える。すると、突然、頭上に近い空にも別のオーロラのカーテンが現われて揺れ出した。南の空のものは、何箇所かで渦を巻き始めている。光は強くなく、規模の大きものではないようだ。色も白っぽい緑一色だけのものだが、でも、間違いなくこの空の上を緑の竜が走り回っている。 大ブレイクすることを期待しなかったわけではない。大規模なオーロラは言葉にできないほど美しいという、空を舞い踊るオーロラを見たものは、その宇宙の神秘と美に圧倒され感動に魂が震えるのだという。 しかし、また、そんなチャンスにいつでも出会えるわけではなく、それもまた自然の神秘であろうと思う。 ここにきたからこそ、自然が織り成すこの壮大な現象、オーロラに出会うことができた。オーロラのしくみをなんとなく頭ではわかっていても、実際にオーロラを観ることができたことに、理屈なく感動してしまう。寒さが大の苦手である私の夢は、将来、南の国で暮らすこと、でも、オーロラをこうして見られるのなら、このイエローナイフに住みたいと思っていた。 ホテルへ戻る時間になっていたが、もちろん誰も帰ろうとはしない、例えロッジを締め出されても、みんなここに残っていたと思う。幸いなことに、バスの運転手さんは延長を承諾してくれた。 今、この眼でオーロラを見ているのだ!という感動に私が酔いしれている間、写真班は写真をとることに追われていたようだ。肉眼では見えなかったが、写真では赤い光も写っている。 宮崎天文同会のホームページ 上のトップページにあるオーロラ画像ギャラリーへ。 オーロラに出会った感動は、やはり見たものでないと解からないと思う。ましてや、私の拙い文章ではどうしようもない。せめて、Tちゃんが写した写真を借りて、オーロラを伝えたい。Tちゃんは、その感性豊かな表現力で、幻想的なオーロラの写真をたくさん撮影している。 |
オーロラの写真 イエローナイフ プレリュードレイク近く 2003年1月23日 撮影 田中 直美 |
6.さようなら、イエローナイフ 私たちは、この後バンクーバーの観光をすることになっていた。オーロラを見た翌日の早朝、イエローナイフを後にした。ここは、夏になるとまた違った表情があるという。たくさんの湖があるので、水のレジャーが盛んだという。 あの、イタリアンレストランのカップルのように、夏はハワイで過ごすとして、オーロラが観られる冬には、ここで生活するのもいいなー などと夢のようなことを考える。思い出は、その長さではなく深さによる。この3日間のことを深く心に刻んだ。そして、イエローナイフに別れを告げた。 (おまけ) 私にとっては、オーロラを観ることができて、胸がいっぱい幸せいっぱいの楽しい旅だったのだが・・・ しかし、他のメンバーはこれだけでは満足できなかったようだ。緑や赤・ピンクに多彩に色づいた、空一面を被い尽くさんばかりの光り輝くオーロラ、頭上で竜が暴れ回るような大規模のオーロラがどうしても見たかったようなのだ。 ということで、星の会のメンバーは、翌年、北欧のオーロラ観測に再び出かけて行った。そして、すばらしく美しいオーロラの写真をお土産に持ち帰ってきた。 |
↑オーロラ解説のページです。 |
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